射楯兵主神社(いたてつわものぬしじんじゃ)は鹿児島県南九州市頴娃町に鎮座する神社で、旧社格は無格社。別名である釜蓋(かまふた)神社や釜蓋大明神としても有名です。当ブログでは、より広く呼ばれる?釜蓋神社との名を使わせていただきます。
釜蓋神社は素盞鳴尊(すさのおのみこと)という武の神様を祀る神社で、厄除け、開運にもご利益があるとされています。芸能人やスポーツ選手も多く訪れるパワースポット。なでしこJAPANがワールドカップで優勝したときもここに参拝にきたと言われています。戦時中は釜の蓋や鍋を持ったりかぶったりして神社に参拝すると敵の弾が当たらず無事に返ってこられるという噂が広がり、出兵者や家族が多く訪れていたそうです。
後述しますが、釜蓋神社はお賽銭を入れて二礼二拍手一礼という一般的な参拝方法ではない面白い参拝方法もあり、かなりユニークな神社でした。
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歴史
釜蓋神社の創建は不明のようですが、文政期 (1818年〜30年)から更に800年さかのぼった時期に創建されたと伝えられています。
釜蓋神社の名前の由来・神社の歴史は、下記のような言い伝えに基づきます。天智天皇がその后である大宮姫(おおみやひめ)と共に、頴娃(えい)というところにいる臣下の安藤実重(あんどうさねしげ)を訪れました。ちなみに頴娃は、現在の当社がある地の隣町です。おもてなしのため安藤実重が大量の米を炊いていたときに突風が吹き、釜の蓋がこの地に落ち、これを地元の人々が拾って神様として祀ったことが起源と言われています。そしてこの釜蓋に武神である素盞鳴尊の神威をつけ、現在のように射楯兵主神社と呼ばれるようになったとのことです。矢を”射る”、”楯”で守るなど兵(戦いの象徴)に関連する漢字が神社名に入っていることがそれを物語っています。
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御祭神
射楯兵主神社という名前からわかるように武道、戦いの神様である、素盞鳴尊(すさのおのみこと)を御祭神としています。勝負事や厄除け、開運にもご利益があると言われています。ちなみに、高さ30cmくらいの石がご神体となっているそうです。
詳細は当ブログの神産みの記事に譲りますが、伊邪那岐(いざなぎ)が妻である伊弉冉(いざなみ)を求めて向かった黄泉の国から帰ったときに、日向で禊を行った際に、左目をこすってできたのが天照大御神(あまてらすおおみかみ)、右目からは月讀命(つくよみのみこと)、鼻をこすって生まれたのが当社御祭神の素盞鳴尊です。ヤマタノオロチの退治をした神として有名で、ここから戦いの神となっています。
※素盞鳴尊の漢字表現としては『古事記』では須佐之男命、『日本書紀』では素盞鳴尊となっていますが、当ブログでは神社表記に従う方針のため、素盞鳴尊と記載しています。
社殿・宝物等
神社から200mほど離れたところに車10台ほど停められる駐車場があり、そこから歩いていくときれいな浜辺が見えてきて、鳥居があります。
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浜辺をもう少しすすみます。50mくらいです。
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社殿が見えてみますが、その手前にかわいいバス停だった?と思われる建物もあります。
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この建物の目の前に釜蓋神社があります。
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鳥居をくぐると手水舎があります。
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こちらが拝殿(兼本殿?)です。こじんまりとしていますが、写真右の手水舎の上の釜蓋の存在感抜群です。
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社殿内部にはスポーツ選手や有名人のサインが沢山ありました。
され、冒頭でお伝えしたユニークな参拝方法ですが、『かまふた願掛けかぶり』と『かまふた願掛け投げ』の2つです。
かまふた願掛けかぶりは釜蓋を頭に乗せて手を使わずに鳥居から賽銭箱前までお参りすれば願いが叶うとされているものです。距離は約10mですが、海風が強かったり釜蓋がつるつるしていたりに加え、願いを叶えたいという欲も出て、ハラハラしました。
ちなみに、大小2つ種類があるのでバランスが取れそうな釜蓋を選びましょう。例外ですが2人用の特大サイズもありです。カップルで仲良くということと思いますが、身長など違えば難しい気がします。
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下記写真の鳥居手前の方のように、多くの方が挑戦されていました。ちょっと恥ずかしい感じもありましたが、参拝された方はぜひやりましょう。
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これよりもっと難易度が高いのが、かまふた願掛け投げです。これは素焼きの小さな釜蓋を、本殿から海側にある釜の中に投げ入れると願いが叶うというものです。意外と距離があり、『かまふたかぶり』よりも釜蓋のサイズが小さく軽いこともあり、より海風の影響を受けます。ちなみにこちらも諦めなければOKですが、ミニ釜蓋は2個で100円と少し高め。。。?
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このミニ釜蓋、おれおちゃんの頭にちょうどよいサイズでした。
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この釜蓋を投げる釜ですが、下記写真の左側に見える釜です。これをここから少し高いところにある社殿から投げ入れるので、結構難しいです。。写真見えづらくすみません!
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ちなみに、海と社殿の高さの違いは下記写真のようなイメージ、結構高いです。
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拝殿を右奥に進むと寿石という石があります。良縁、子宝、安産などにご利益があるとのこと。通り道には絵馬もたくさん飾られています。
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社殿の寿石とは反対方向(左方向)にいくと、神社の裏に行くことができます。大海原と薩摩富士とも呼ばれる開聞岳(ひらききだけ)を望む絶景ポイントがあり、希望の岬と呼ばれています。
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ここには、しゃもじや釜蓋をデザインしたベンチなどがあり、朝日や夕日を楽しむことができるそうです。が、管理人一行はここに気づかず、あとから後悔しました。。。天気が良ければ、開聞岳以外にも、南に硫黄島なども見えるようです。
ご利益
御祭神の素盞鳴尊が武神であることから、勝負事や厄除け、開運にもご利益があると言われています。
また、拝殿右奥の寿石をなでると、良縁、子宝、安産にご利益があるそうです。ちなみに、触り心地が良いです。
拝殿の中の天井を見上げると神々しい龍の絵があり、この絵を撮影してスマホの待受にするとご利益があると言われています。ちなみに、スマホで撮影すると不思議にも龍が持っている玉が光り輝いているように見えると言われています。
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御朱印
宮司さんは常駐しておらず、御朱印は書き置きのものをいただく形です。絵馬やミニ札、各種お守りをいただけます。
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御朱印は自分で日付を記入していただくスタイルになっているので記念になるかも、です。
ちゃんおれメモ
武の神は太っ腹だけど僕のほうが強いんだ。ガオ
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海の側だから、フナムシがたくさんいる。別に、僕は怖いわけではない。ガオ
開聞岳を望む絶景は、心の中までざぶざぶと洗われるような気持ちになるんだ。
観光地化しているかと思いきや、結構ご年配の方も多くて、地元から愛されている神社なんだなと感じた。
願掛けかぶりは、失敗しても最初からやり直せば良いという、太っ腹な感じだったけど、ここに書いてある内容で、『うまくできたら。。。』の先が消えていた。うまくできたらどうなるんだろう?ガオ
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