国産み&神産み

国産み神産みという神話があることは知らなかったけど、よく調べてみるといろんな日本神話の土台となる大切な神話だということがわかった。

これを知っておくと神社めぐりが更に楽しくなること間違いなし。ガオ

でも、八百万の神と言われるくらいたくさんの神々が出てくる日本神話だから、名前をすべて挙げていてはキリがないので、重要な神々のみの留める。ガオ

目次

国産み

国産みは、日本の国土がいかにして造られたかを伝える神話。

日本の国ができる前、高い空の上に高天原(たかまがはら)という神々のお住まいになるところがあった。ここに住む神々を天津神と呼ぶ。(※ここは国譲りのところでも勉強した。ガオ)

高天原に最初に現れた5柱の神々は別天津神(ことあまつかみ)と呼ばれ天地開闢(てんちかいびゃく)を行った重要な神々だが、性別はなくこれ以降は神話にあまり登場しない。

※開闢はむずかしいことばだけど、「はじまり」とか「開く」を指している。こんな感じ。ガオ

その次に生まれたのが伊弉諾(以下イザナミ)と伊弉冊(以下イザナミ)で、イザナギは兄、イザナミが妹の神。ここに来て性別が出てくる。別天津神は下界に新しい国を作ろうとして、イザナミとイザナギに国造りを命じ、天の沼矛(あめのぬぼこ)という矛を授ける。

二柱の神々が天の浮橋(あめのうきはし)という大きな橋の上で下界の様子を眺めてみると、国はまだ水に浮いた油のように漂っており、ちょうどクラゲが海面をプカプカを泳いでいるようだったそ。矛を下ろして混沌とした海水を力いっぱいかき回し始める。ここのシーンが描かれた絵がこれ。小林永濯という浮世絵師が書いた絵で、縦長のかっこいいやつ。ガオ

※ちなみに名前は「天之瓊矛を以て滄海を探るの図」というなんか名前もかっこいいやつだ、ガオ

しばらくして矛を引き上げると、矛の先から滴り落ちる塩が積って淤能碁呂島(おのごろじま)という島ができた。イザナギとイザナミはこの島に降りてきて、八尋殿(やひろどの)と天の御柱(あまのみはしら)を建てる。八尋殿は広大な社殿、天の御柱は大きな柱のことで、天御柱は、現在の淡路にある上立神岩とされている。ガオ

ここでイザナギがイザナミに「あなたの身体はどのようにできているのですか」と聞くと、イザナミは「成長していますが、成長していないところが1つあります。」と答える。一方イザナギは、「私の身体に成長しすぎたところが1つある。そこで私の成長しすぎた部分で、あなたの不完全なところを塞いで、国土を産みたいと思うがどうだろうか。」と尋ねると、イザナミは同意。

神話は意外にもリアルでちょっと恥ずかしい。ガオ

イザナギは左から、イザナミは右から天の御柱を回り、出会ったところでイザナミが「なんと立派な男性なんでしょう」言い、イザナギは「なんと美しい女性だろう」とイザナミを褒めて2人は結ばれる。生まれた子は蛭児(ヒルコ)、アシハマの2人だが良い子どもではなく、葦の船に乗せて流してしまう。別天津神に相談すると、別天津神は占いをして「女性が先に言葉を話したのが良くないようだ。」という。神様なのに占いをするのが面白い。ガオ

再び2神は淤能碁呂島に帰り、同じように天の御柱を回る。今度はイザナギが先に愛のことばを発する。ここで生まれたのが淡路島。次が四国、隠岐、九州、壱岐、対馬、佐渡、最後に本州。これら8つを大八島国(おおやしまのくに)という。これが日本の国土の始まりなんだ。ガオ

ちなみに2神はつづけて6つの島を生んでいる。児島半島(吉備児島:きびのこじま)→小豆島(小豆島:あづきじま)→屋代島(大島:おほしま)→姫島(女島:ひめじま)→五島列島(知訶島:ちかのしま)→男女群島(両児島:ふたごのしま)

神産み

神産みは、イザナギとイザナミが国産みのあと、いろんな神々を産み出したことを指している。

ここで生まれた神々は風の神、木の神、石の神、土の神、海の神、山の神、穀物の神など、自然にまつわる神々なんだ。ガオ

様々な神々を産み出した2神だけど、火の神であるカグヅチを産み出したときにイザナミが火傷を負い、それが原因で亡くなる。イザナミは悲しみ、イザナミを出雲国と伯耆国の境にある比婆山(島根県安来市)に葬った。イザナギは怒り、カグツチを十束剣(とつかのつるぎ)で斬り殺した。ここから刀剣の神である建御雷神(タケミカヅチ)がうまれた。この神は国譲りのところでも出てきて、鹿島神宮(茨城)や一之宮貫前神社(群馬)に祀られている武神だ。ガオ

それでも寂しいイザナギはイザナミを探して死者の国である黄泉へ行く。黄泉の国の入り口は出雲大社の北にある小さな漁村の船着き場にある、猪目洞窟であるとされている。戸越にイザナミに、「あなたと一緒に創った国土はまだ完成していない。帰りましょう」と行ったが、イザナミは「黄泉の国の食べ物を口にしてしまい、ここの住人になってしまったので生き返ることはできません。ですが黄泉神と相談しましょう。お願いですからその間絶対に私の姿は見ないでください。」というんだ。ガオ

なかなか帰ってこないためイザナギは痺れを切らして火をともして中を覗き込んでしまう。するとイザナミの身体は腐って蛆がわき、蛇の姿をした8柱の雷神(八雷神)がまとわりついていた。このイザナミの変わり果てた姿に驚きイザナギは逃げ出した。イザナミは「見てはいけないといったのに、約束を破り恥をかかせたな」と怒り狂って、黄泉醜女(よもつしこめ)や八雷神にイザナギを追わせる。イザナギは十束剣で振り払いながら逃げて、ようやく黄泉の国と地上の境界(黄泉から見れば出口)である黄泉比良坂(よもつひらさか)に到着した。イザナミ本人が追いかけてきたが、イザナギは千人がかりでないと動かせないような大岩で黄泉比良坂をふさぎ、悪霊が出ないようにしたんだ。ガオ

この岩をはさんでこの夫婦は分かれることになる。このとき、怒りに震えるイザナミは「もうあなたの国には帰れません。辱めを受けた代わりにあなたの国の人々を毎日1000人ずつ殺します」という。いざなぎは「それなら私は人間が滅びないように1500人ずつ産もう」といった。こうしてイザナミは黄泉の国を治める神となり、黄泉津大神(よもつおおかみ)と呼ばれるようになった。これは人間の生死の由来を表しているとされている。ガオ

やっとの思いで国へ帰ってきたイザナギは黄泉の穢れを清めるために現在の宮崎県にある日向(ひむか)へ向かい、橘の小門(をど)の阿波岐原(あはきはら:現在の宮崎市阿波岐原町)という場所で禊を行うんだ。身を清めている間に様々な神々が生まれているけど、最後に左目を洗うと天照大御神(あまてらすおおみかみ:太陽の神)が、右目を洗うと月読命(つくよみのみこと:月の神)が、鼻を洗うと建速須佐之男命(たけはやすさのおのみこと:海の神)が生まれた。

イザナギは最後に三柱の貴い子(三貴神という)を得たと喜んで、イザナギはアマテラスに首飾りの玉の緒を渡して高天原を、ツクヨミに夜の食国(をすくに)を、スサノオに海原を統治するように言った。ガオ

ちゃんおれの感想

女性から声をかけたのは意外だったけど、男性から声をかけないといけなかったところが日本の昔ながらの代表的な恋愛観(男が引っ張っていく)につながっているかもと思った。一方で、女性からアプローチしたのが最初ということで、いわゆる草食男子的なものにもつながっているんだろうかといろいろ考えてしまう。ちなみに僕は百獣の王だからもちろん肉食系だ。ガオ。

キリスト教では、絶対神が天地を創造し、大地と海、植物、日、月、星、魚、鳥、獣を創ったあとで、最後に神の姿に似せて人間の男女を創ったとされる。でも、日本神話では男神と女神の交わりで大地が生まれ、人間は神の子孫であるとされるため、人間と神を分離していないんだ。ここがリアルに描かれている日本神話は正直で印象が良い気がする。

神様は思ったよりも感情が激しくてときに切ない話もある。でもそういうところが人間に近くてここまで語り継がれてきた所以なのかもしれないと思った。ガオ

この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

よかったらシェアしてね!

コメント

コメント一覧 (2件)

コメントする

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

目次
閉じる