三峯神社

[bogo]

今回訪れた三峯神社は秩父神社寳登山神社とともに秩父三社とされる由緒正しい神社です。関東屈指のパワースポットは、見どころ満載で、荘厳な雰囲気の神社でした。

※秩父三社はいずれも豪華な装飾が施された神社で、見た目にも迫力があります。

あの宮本武蔵もここで二刀流を習得したとの伝説があったり、もっと現代的なところでは、芸人のバイきんぐさんがここで修行して2012年のキングオブコントで優勝した、また浅田真央さんが三峰神社のお守りで利益があったとされるなど、芸能界でも密かにブームになっているようです。

三峰という名前の由来は、東方にそびえる雲取山、白岩山、妙法嶽の3つの山が美しく連なること。三峰神社は標高約1,100mと、秩父三社の中でもっとも高いところにあります。神話で有名な日本武尊(やまとたけるのみこと)によりつくられた神社と伝えられています。

参拝におすすめなのは、曇がかっていて霧が出ている日ということです。霧がたくさん出るとオオカミの神様が現れやすく、不思議な現象が起こるという、天気の面でも不思議な神社です。

車で向かう道中、周りは山と川に囲まれ、野生の猿も数匹みました。この時期は紅葉が美しく、山を眺めてのドライブ、リフレッシュできました。

目次

歴史と概要

埼玉県秩父市にある三峰神社は景行天皇の時代、西暦111年に創設されたというとても歴史のある神社です。

旧社格は県社、現在は神社本庁によると別表神社です。

その昔、景行天皇は国の平和のために皇子である日本武尊やまとたけるのみこと)を東国に派遣しました。当時の政治の中心(近畿)から見て東国、つまり今で言う関東や東海地方のことを指します。尊は甲斐国(山梨)から上野国(群馬)を経て、三峰にたどり着きます。

尊はこの地の清らかで美しい山と川をご覧になり、伊弉諾(いざなぎ)と伊弉冊(いざなみ)の国産みを偲んでにお宮を造り、この二柱をお祀りして国の永遠の平和をお祈りしたことが起源とされています。

この際、尊の道案内をしてその勇猛さと忠実さを示したのがオオカミであったことから、三峯神社の使い神(神様の力を受けた神聖な動物)となっています。江戸時代には害獣とされた鹿や猪などから農作物を守る存在としてオオカミを崇めるようになり、派生して盗賊や災難から守る神と解釈されるようになりました。こうした信仰を御眷属信仰(ごけんぞくしんこう)というそうです。

国中に悪病が流行した聖武天皇の時代には病気の平癒を祈って三峯神社には勅使を遣わせられたり、淳和天皇の時代には、勅命により弘法大師空海が十一面観音像を刻み、天下泰平と国家平穏を祈ったとされるなど、徐々に神社と寺の要素が合わさった神仏習合を強めていったそうです。

祭神

三峯神社の起源からもわかるように、国産みの神である伊弉諾尊(いざなぎのみこと:写真左)と伊弉冊尊(いざなみのみこと:写真右)の二柱が祭神となっています。

詳細は国産みの解説に譲りますが、伊弉諾と伊弉冊は日本民族の祖神とされ、国産み・神産みをされた原初の夫婦神です。なお、国産みでは日本国家を形成する島々(淡路、本州、四国、九州等)を、神産みでは自然を司る神々(例えば天照は太陽)をお産みになったとされます。

社殿・見どころ

三峯神社は特に見どころの多い神社なので、社殿だけではなく、駐車場から実際に参拝する(であろう)順で説明していきます。

駐車場から階段を上がって参拝開始。ガオ

少し歩くと見えてくるお土産・ごはん屋さん。

柿が干して秋を感じたり、

かわいい犬たちもいました。

もう少し進むと別のお店もあります。ここの参道はこの2軒のみです。
管理人はこちらでお昼をいただきました。
大島屋さんお店の向かいに、鳥居が見えます。
ここ三峰神社の鳥居は三ツ鳥居という鳥居を3つ繋げた珍しい形をしています。
ちなみに、日本にわずかしかない珍しい鳥居のようです。
※奈良県の犬神神社(大和国一宮)も有名なようですがこちらは直接見ることができないそうです。公式HPには写真が載っています。

貴重な三ツ鳥居の横にあるのは狛犬ならぬ狛狼。狼が神の使いである三峯神社では、全て”狛狼”となっています。他の狛犬に比べて体がムキムで顔も怖い感じで強そうです。

ちなみに、オオカミが神聖とされている理由は他にもあるそうで、例えばオオカミは大神とも書くこと、霊に取り憑かれたときに霊を象徴する狐を追い払ってくれるのがオオカミであることなどです。そういえば、もののけ姫でも、オオカミが山を守るために悪を追い払うシーンがありますね。

三ツ鳥居をすぎるとしばらく参道を進みます。途中、こんな神々しい林があったりして、更にもののけ姫感が増していきます。

しばらく進むと、分かれ道があり、真っ直ぐ進むと三峯神社を創始したとされる、日本武尊の巨大な銅像があります。大きさは本体5.2mで、地上から約15mの高い場所にあるそうです。

日本武尊像の手前の分かれ道を先程の分かれ道を左に進むと、随身門(ずいしんもん)という立派な門があります。建立は1691年。これも神仏習合の名残を残す建造物です。

三ツ鳥居まではお店もあって観光地っぽいですが、ここまでくると周りが大きな杉に囲まれて空気感が大きく変わる気がしました。

この門をくぐると、更に参道は続きますが、ますますピリッとした感じになります。

さらに道を進むといよいよ拝殿が見えてきます。拝殿は階段の上に位置し、左右の御神木に守られているかのような佇まいです。

三峯神社の拝殿は1800年に建立されています。建築様式は秩父神社の権現造とは違い、三峯神社は春日造という造りです。大きい、というサイズではありませんが、非常に華美で荘厳な雰囲気の美しい拝殿でした。

※後々、ちゃんおれメモにて神社建築様式特集します。

手前にある手水舎で身を清めます。ここの装飾もなかなかすごいです。

拝殿に近づいて下から見上げると色鮮やかな彫刻が目に入ります。

装飾にはすべて意味があるようで、たとば下の写真。

左上に見えるのは実は龍ではなく蜃(しん)という伝説上の生き物というそうです。口から気をはき出して人々に幻を見せる生き物で、蜃気楼という言葉はこの生き物に由来するそうです。ちなみに、蜃はドラゴンだという説と巨大なはまぐりだという説があり、どこに共通点があったのだろう。。。と思いましたが、いずれにせよここが神様の世界と現実の世界の境界線であることを表しているようです。

また、拝殿付近には2012年の辰年に、龍の姿が浮かび上がってきたとされる石畳があります。ここに水をかけると龍神が浮かび上がってくるのです。ということは、三峰神社としては蜃=龍と捉えているのでしょうか。

突如現れた「龍神様」、樹齢800年の「拝殿前のご神木」!※ご利益を期待して、この龍をスマホの待ち受けにする方も多いそうです。

境内には、樹齢800年を超える神木(重忠杉)があります。三度深呼吸をしてから御神木に触れてお祈りすると良いそうです。

その他、歴史を感じる神楽殿などもありました。

この神楽の演奏を聞いて、かの宮本武蔵が二刀流を開眼したと伝えられています。

管理人としては拝殿を横から見た神社全体の雰囲気が好きです。木々に囲まれて神秘的な神社に見える気がしました。

 

さて、拝殿からさらに奥へ進むと、もみの木とヒノキがピッタリと寄り添ったえんむすびの木と呼ばれる木があります。

えんむすびの木

好きな人の名前と自分の名前を紙に書いて納めると、恋愛成就のご利益があるとされています。

 

三峯神社の歴史でも紹介した、神の使いであるオオカミを祀る神社、御仮屋神社も見逃せません。えんむすびの木から少し歩いた場所にあります。“お犬さま”とされて崇められたオオカミは、大口真神(おおぐちまかみ)とも呼ばれて神格化され、家を守護し、火防・盗難除け・諸難除けの神として崇拝されています。

三峯神社のお使い神「お犬さま」にもご挨拶をしよう

帰り際、隋身門とは反対側に秩父盆地を一望できる遥拝殿への階段が見えます。

三峯神社には奥宮があるのですが、境内から山道を1時間半歩かないとたどり着かないそうです。標高1329mに位置するため、1時間ほど山道を登る必要があります。そこで、奥宮に行けない人が、この遥拝殿から拝んでご利益を受けることができる、という場所らしい。階段を上がりきると遙拝殿があります。

ここから奥宮を見ることができるそうです。正面に見えるらくだの背のような山(妙法ヶ岳)の山頂に奥宮があります。

奥宮以外にも、晴れた日の昼間だと秩父盆地が一望できる絶景スポットです。

また三峯神社は雲海スポットとしても有名なのですが、気象条件が揃えばここから雲海を眺めることができるようです。雲海の発生確率は11月が一番高く、雲海見学ツアーなどもあります。

 

なお、管理人は、あまり下調べせずに参拝してしまい、遥拝殿、えんむすびの木、御仮屋神社などを見逃して、とても後悔しました。。。

神事

三峯神社にはいろいろな神事があります。
・ごもっともさま(2月)
・大祭(4月、12月)
・月読祭(十五夜)

中でも、”ごもっともさま”は珍しい神事として有名なようです。Wikipediaによると:

”2月3日の節分追儺祭の神事は「ごもっともさま」とも呼ばれる。豆を「福は内、鬼は外」と唱えた後、後に控えた添人が大声で「ごもっともさま」と唱和し、1メートル余りの棒の先に注連縄を巻き、根元に蜜柑2個を麻縄でくくりつけた陰茎を象った大きな棒を突き出す。五穀豊穣・大漁満足・夫婦円満・開運長寿の願いが込められ、子授けに奇瑞があると言われている。”

この一連の行動を本社だけではなく摂末社(本社以外の小さなお社)でも行い、7時、11時、正午、2時、4時の5回行うそうです。

 

ご利益

・縁結び

・夫婦和合(夫婦が仲良くすること)

・五穀豊穣

・家内安全

・厄除け(特に火難、盗難)

伊弉諾と伊弉冊という祭神の由緒から、夫婦和合や縁結び、また守護神であるオオカミから厄除けのご利益があるとされています。

三峯神社にはレアなお守りが2つあります。

1つめは、毎月1日限定で、白いお守り(氣守)の配布がある白い氣守です。木箱に入った高級感とレア感満載のものです。※写真は三峯神社のもの使用

その珍しさからとても混み合っていたようですが、残念ながら2018年6月より混雑緩和ができないということで配布が中止となっています。この氣守、ピンク、赤、黒(青?)、緑のものは神社内にていただくことができます。1日限定の白いお守りのみ配布中止ということです。やっぱ白かっこいいです。

白には清浄や太陽などを表す意味があり、日本武尊をこの場所に導いたのが白いオオカミだったともされ、また何色にでも染まるところから新しいスタートを意味することもある。毎月1日に配布されていたのは、スタートという意味があったようです。

現在、白い氣守を入手する唯一の方法は、平成32年12月31日まで(年号変わりますが)の期間、毎月朔日(ついたち)・晦日(みそか:月の最終日)に三峯神社興雲閣へ宿泊することしかなく、さらにレア度があがっています。

2つめは、御眷属拝借。これは、オオカミを神格化する御眷属信仰に関して、お札を1年間借りて、地域あるいは一家の守護をお祈りすることです。あらゆるものを祓い清め、様々な災いを除くとされています。

拝借と書かれている通り、まさにオオカミの神様を借りてきます。ちなみにお借りしたら寄り道せずに家に帰り、必ず1年以内にお返しに行くという決まりがあるようです。

この御札を持ち帰るときには絶対に振り返ってはいけないという噂もあり、何かがついてきている気配がしたとか、車に乗ったときに重くなった気がした(オオカミが乗っている)という人もいたようです。

御朱印

 

周辺の観光地、お店等

参拝後にお昼をいただいたのが、こちらの大島屋さん。

店内に管理人の小学校で使われていたような懐かしいストーブがある、暖かい雰囲気のお店でした。

秩父名物のわらじカツで有名とのこと。

以前も別のわらじカツを食べたことがありますが、こちらのはとても美味しかったので、かなりおすすめです。

山菜そばもいただきました。

周辺の観光地としては、今回は時間がありませんでしたが、中津川渓谷が良さそうです。さらに先へ進むことになりますが、整備された道路で、特に紅葉の時期は関東屈指の名スポットとなっているようです。豆焼橋という橋があります。

ちゃんおれの感想

かなりの山道を上がる必要がある三峯神社。車がない時代は簡単に行くことができなかったため、今でも古代の雰囲気を残し神秘的な空気に包まれている。

確かに圧倒的に存在感のある神社だけど、観光地化されている感もあり、あまり秘境感がなくなっている部分もある。ガオ

ぼくはオオカミよりも龍よりも強いんだ。ガオ

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